小田急電鉄の特急「ロマンスカー」の中でも人気の高かった「VSE」。白いロマンスカーです。

フラッグシップとして箱根観光のポスターなどにも多数登場してきたこの車両は2022年に引退しました。

この名作ロマンスカーの原点は抽象彫刻の祖と呼ばれたブランクーシが制作した「空間の鳥」だったそうです。

ロマンスカーの設計者であり建築家の岡部憲明氏がブランクーシからデザインの着想を得たようです。

抽象彫刻の代表的な作例のひとつに挙げられる「空間の鳥」は、過去にニューヨークへ持ち運ばれた際、関税がこれを美術作品と認めなかったために裁判にまで発展し、工業製品と美術作品の境が問われる出来事となりました。

たしかに鳥には見えないかもしれません。

この作品を巡り全米を揺るがす裁判まで勃発し、アメリカでプランクーシの名が確立していきます。

ブランクーシという名前は、確かに日常的に馴染みのないものですが、現代彫刻においてはあまりにも有名な展覧会。

時を戻せるなら最初の頃に行っておけばよかったと思う次第です。