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ティム
2026/08/19 18:44

新米のこと

日本は縦に長い国なので、野菜の収穫が南から北へ進むのと同じように、お米の収穫も「南から北へ、そして山から平地へ」と数ヶ月にわたって移動していきます。日本のお米は、早いところでは7月から、遅いところでは11月まで、なんと約5ヶ月間もどこかで新米が収穫され続けています。

7月〜8月は早場米エリアと呼ばれる宮崎、鹿児島、沖縄、高知などあたたかい気候を活かして、日本で一番早く新米を届けます。

8月下旬〜9月上旬は関東・近畿・山間部エリアで、千葉、茨城、栃木、佐賀、兵庫など本州の平野部で早く育つ品種(ふさこがね)のお米がこの時期に一斉にスーパーに並び始めます。

9月中旬〜10月上旬は、東北・北陸エリアで新潟、山形、秋田、宮城、北海道など日本のお米の収穫量が最も爆発する「大本命」の時期です。有名な「新潟コシヒカリ」や山形の「つや姫」、秋田の「あきたこまち」などが一斉に登場します。

10月中旬〜11月は、晩生米など、こだわりエリアで岐阜や長野などの標高が高い山間部で、じっくり時間をかけて寒暖差の中で育った、非常に甘みの強いプレミアムなお米が最後に登場します。

本題はここからです。

少し前に「お店からお米が消える騒動」がありました。これに焦ったお米の卸売業者たちは、「高くてもいいから、とにかくお米を確保しなきゃ!」と、去年の米(令和7年度産)をすごい高値で仕入れました。業者にとっては高く仕入れたお米なので、損をしたくないため、今さら安く売ることができません(これが現在も残る高価な令和7年度産のお米です)その結果、高く仕入れた去年の米がお店や倉庫にドッサリと売れ残ってしまい、異例のコメ余り状態に陥ったのです。そんなお米が余って困っているところへ、今年の令和8年度産のお米は天候に恵まれ、新米がとても順調に育ちました。JA(農協)はこれ以上お米が余ったら本当に誰も買ってくれなくなると危機感を持ち、今年の新米のスタート価格(概算金)を去年より大幅に安く(約2〜4割安く)設定して売り出すことにしたのです。

つまり、いま起きている現象は「去年の高値に縛られて安くできない古い米」の横を、「今年の事情に合わせて安くデビューした新米」が低価格で流通している状態です。

聞き慣れない言葉の概算金(がいさんきん)を一言でいうと農協(JA)が農家からお米を引き取る時に、とりあえず最初に支払う前払い金のことです。お米の取引は、お店の仕入れとは少し違う独特なルールで動いています。概算金が下がったということは、お米の定価(元値)が最初から安く設定されたということと同じ意味です。

国が計算したお米作りのデータによると、お米を収穫して1俵(60kg)に詰めるまでにかかる平均的な生産コスト(元手)は約20,535円とされています。しかし、今年の新米の概算金(前払い金)は、このコストを大きく下回っています。

宮崎県などの早場米で14,700円〜18,000円前後です。ブランドのコシヒカリなどは前年の3万円から一気に18,500円(約4割安)へ急落しました。ならば昨年の米を安くして新米を少し高くして釣り合いが取れないのか?と考えてしまいますね。これができない理由は、お米の流通における主体の違いと賞味期限(価値)の壁にあります。

去年のお米と今年の新米は財布(持っている人)が違います。令和7年産の高い米を持っているのは、主に民間の卸売業者やスーパーです。彼らはすでに、JAから1俵3万円以上という大金を払って買い取ってしまっています。一方、令和8年産の新米をこれから売るのは※JA(各地域の農協)と全農(全国農業協同組合連合会)です。もし去年の米を安くして、新米を高くしようとすると、民間の業者は大赤字を抱えて倒産し、JAだけが不当に高い利益を得るということになってしまいます。それぞれ別々のお財布でビジネスをしているため、お互いの価格を混ぜて調整することができないのです。

スーパーで新米の方が安い??と心配になった人がいましたら、このような現象が起きているからです。例年より出来が悪いというわけではありません。むしろ良いくらいです。いまは消費者にとっては、美味しくて新鮮な新米が安く手に入る嬉しいタイミングです。令和7年度産の米から消費していきたい気持ちもありますが。。今後本格的な新米の流通価格はどうなるのでしょう。

何よりも農家は生産にかかる費用が高騰してるなか、概算金が下落して作れば作るほど赤字になり廃業していけば、また市場は混乱するかもしれません。

今日のお話はスーパーで新米の価格を見た方が、今年のお米はよくないのかしら?と呟いていたためです。皆さまのご参考になれば。


※ニュースでも混同して報道されがちですが、関係性を例にすると地元の交番(JA)と警察庁(全農)のような関係です。

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1 件の返信 (新着順)
江戸っ子ぴぃ バッジ画像
2026/08/20 11:04

フムフム。関東での稲の収穫時期は8月下旬〜9月上旬ですね。
お米が育つのって、私が去年まで新米を頬張っている頃の考えよりも大変なんです。
今年のぴぃは、農家さんの大変さが身に染みてわかっている気がする。
特に、今月は、なお、深刻によく理解できているような気がする。
なぜならば、我が家で育ているバケツ稲が大変なことになっているから。。。