金色堂は、中尊寺創建当初の姿を現在に伝える唯一の建造物です。数ある中尊寺の堂塔の中でもとりわけ意匠が凝らされ、極楽浄土の有様を具体的に表現しようとして当時の工芸技術が集約された御堂です。

堂の内外に全面金箔を押した「皆金色」の阿弥陀堂です。

須弥壇（しゅみだん）の上にご本尊である阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩、左右に3体ずつ地蔵菩薩が並び、最前列には持国天と増長天が守護しています。この仏像配置の構成は金色堂独特のものでとても貴重なものです。
須弥壇には以前お話しした御遺体が安置されています。中央には清衡、左に二代目基衡、右に三代目秀衡の御遺体と四代目泰衡の首級が安置されています。

二度にわたる大きな戦いで家族をなくし、後にその東北地方を治めた清衡が、戦いで亡くなってしまった全ての人々、すべての生き物の魂を極楽浄土に導き、平泉に平和をもたらすべく建立した金色堂は、国宝建造物第1号になりました。

一生に一度は行ってみたかった中尊寺金色堂。

藤原清衡の哀しい境遇を知ったうえで、目の当たりにする金色堂は、言葉にならないくらい素晴らしいものでした。