北条早雲は、戦国時代に相模国を統一した人物です。小田原城の城主で、鎌倉幕府の執権・北条氏とは全く関係はありません。

北条早雲が関東一円を治めていたころ、北条氏の息女に「佐保姫」という美しい姫がいました。その姫が、より美しくなるための化粧水用に綺麗なよい水を家臣に探させました。

家臣は、八方手を尽くして探したところ、箱根山の中腹からこんこんと湧き出ている綺麗な清水を見つけました。この水は、箱根大平台の里道沿いの地下から絶えず吹き上げており、どんな干ばつでも、年中絶えたことがないそうです。

姫は、早速この水を化粧用に朝夕と使ったところ、肌に優しく顔もつややかにいっそう美しくなったといいます。

以後、これに習って北条家代々の姫君たちも化粧の水として愛用したので、里人はこの水を「姫の水」と呼ぶようになりました。

いまでも民家の敷地内にありますが、近所の方から愛用されています。

そんな涌き出た水をふんだんに使って作った汲み上げ湯葉を贅沢に使った湯葉丼の名店「直吉」。特製のカツオ出汁のスープを一人前づつ小さな土鍋で沸し自慢の汲み上げ湯葉を浮かべて仕上げに玉子でとじてあります。

いまでは箱根湯本の行列店となり1時間以上待つ事もあります。

元々は旅館だった建物をリノベーションしたため、趣や早川沿いにあるため川のせせらぎなどの豊かな自然も楽しめる、とてもおすすめのお店です。

「直吉」から塔ノ沢方面に少し歩くと「ちもと」駅前通り店があります。

駅前通り店では、季節菓子の中でも特に人気の栗蒸し羊羹があります。

ひさしぶりに湯本周辺を歩いてみると新しい店舗が多く出来ておりました。

老舗も新店問わず、箱根という2文字を冠にできるブランディングが色々な店舗で進んでおり、過去最高のオーバーツーリズムで賑わう箱根でした。