【Q&A】盲導犬や視覚障がいに関する疑問・質問にお答えします
4月22日(土)・23日(日)に開催された『盲導犬もっと知ってキャンペーン』トークショー。
たくさんの方にご参加いただきました。
ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
たまがわLOOPオンラインでは盲導犬や視覚障がいに関する疑問質問を募集しており、ユーザーの皆さまから16件のご質問をお寄せいただきました。
コメントを投稿してくださったユーザーの皆さま、ありがとうございます!
お寄せいただいたご質問について、日本盲導犬協会より回答をいただきましたので
こちらのページでお答えしていきたいと思います。
Q.日頃より盲導犬協会の活動を応援しています!
さて質問です。以前は玉川高島屋でのイベントのさいには、目隠しをして盲導犬と一緒に歩くシミュレーションなど 実施されてましたが、今後再開される予定はございますか?
実施するにはなかなか手間がかかるかもしれませんので、そのイベントのためだけのボランティアを募集するなど、協力できることもあればお教えください!(Looperさん)
A.いつも盲導犬協会の活動への応援ありがとうございます。
新型コロナウイルスの感染症予防の観点からPR犬との体験歩行の実施をしばらく見合わせておりました。
今後の実施の再開については未定でございます。
盲導犬や視覚障害についてより理解を深めて頂けるイベントの計画を含め、体験歩行の有無についても検討をしてまいります。
当協会の活動も多くのボランティアの方に支えて頂いております。ボランティア活動にご協力いただける場合は、登録が必要となりますが、ぜひご協力をいただけますと幸いです。
詳しくは、日本盲導犬協会のHPをご確認ください。
Q.盲導犬の取り組み、とても良いと思います!
盲導犬の同行範囲の質問です。
エレベーターやエスカレーター、飲食店内などもOKなのでしょうか。
勉強不足で申し訳ございません。(akiさん)
A.盲導犬は、「身体障害者補助犬法」に基づき、飲食店やショッピングセンター、病院など不特定多数の方が利用する店舗や施設への同伴が認められており、受け入れは「社会の義務」となっています。
そして、盲導犬ユーザーは社会が安心して盲導犬を受け入れられるように、犬の行動や衛生管理などを行う義務があります。
これらは、盲導犬ユーザーとなるための練習期間である「共同訓練」で講義を受けたり、日々の練習の積み重ねで身につけます。
エスカレーターやエレベータの利用も、歩行訓練の中で練習しており、安全に利用することができます。
Q.ラブラドールレトリバーなどの盲導犬をよく見かけますが、盲導犬になれる犬種には決まりがあるのでしょうか?(ayakomiさん)
A.盲導犬として選ばれる犬種に決まりはありません。
日本では、大きさだけではなく、親しみやすい見た目の優しさ、陽気さ、人を喜ばせることや人と一緒にいることが好きな犬種としての特徴から、ラブラドールレトリーバーやゴールデンレトリーバーが多く選ばれています。
人との体格差も考慮し、大型犬が選ばれます。海外では他にもジャーマンシェパードやスタンダードプードルなどの犬種も選ばれております。
Q.会社に、盲導犬を連れて出勤さるてるかたがいます。
盲導犬は、とてもおとなしく、しっかり訓練されていると感じます。
知らないことが多く、色々知りたいです。
盲導犬が付けてる小さいポーチみたいはのは、何が入っているんでしょうか?
盲導犬にしてはいけない、気を付けなければいけないことなどありますか?(あややんさん)
A.盲導犬のハーネスに、「ハーネスバッグ」という小さな鞄をつけていることがあります。
鞄の表面には、「表示カード」という、その犬が盲導犬であるという証明書を表示しています。
鞄の中身はユーザーによって違いがありますが、犬のトイレ道具や健康管理手帳など、盲導犬と外出する時に必要なものを入れていることが多いです。
職場では、盲導犬はユーザーの足元などで待機しているかと思いますが、盲導犬の行動管理はユーザーが責任を持って行っていますので、勝手に触ったり、犬の気をひくことはせず、そっと見守ってください。
Q.盲導犬はお外でのお仕事以外の時間は何をして過ごしていますか?
ペットとして飼われている犬と同じように家でゆったり過ごしたり散歩に出かけたり、ドッグランで走ったりもできるのでしょうか?
目の不自由な方がそれをお一人でされるのは難しいのかなと想像しますが、誰かが手伝ったり代わりに行ったりするのでしょうか?(もこさん)
A.盲導犬の日常ケアは、ユーザーがご自身で行えるように、盲導犬ユーザーとなるための練習期間である「共同訓練」という研修の際に学んでいます。
盲導犬のお仕事(作業)は、目の見えない人・見えにくい人が歩行する際に必要な情報(曲がり角・障害物・段差)を教えることです。
家の中の家具の配置やトイレやお風呂の場所などは、ユーザーが把握しているため、盲導犬からの情報を必要としていません。
そのため、犬たちはハーネスをつけずに家庭犬と同じように家族の一員としてゆったりと過ごしております。
ボール投げをしたり、ユーザーやそのご家族と遊ぶこともあります。
遊ぶ時には、ユーザーは自分の見え方や遊ぶ場所、犬の性格などを考慮して、お互い安全に楽しく遊ぶ方法を考えています。
盲導犬の爪切りなど視覚を使わないと難しい部分に関しては、周りの方にサポートをお願いしています。
Q.行き場の無い保護犬が沢山いることを憂いています。
災害救助犬のように、保護犬から盲導犬になることはできないのでしょうか?
日本盲導犬協会では、将来的に資質のある保護犬を探したり、
訓練することはないのですか?(tonkoさん)
A.様々な研究の中から、良質な盲導犬を育成するためには、遺伝的な資質が大きく関わっていることがわかっております。
性格的な素質はもちろん、盲導犬として健康で安全な歩行をするためには、遺伝性疾患を持たないことも重要となります。
日本盲導犬協会でも血統繁殖を重視し、盲導犬に適した素質を持つ親犬を繁殖犬として所有し、交配を行っております。
盲導犬の育成は、繁殖から取り組んでおりますので保護犬から候補を選び訓練するという計画はありません。
Q.普通の家庭で家族として愛されているわんちゃんが途中から盲導犬になるケースはあるのでしょうか?
その場合の条件などもあれば知りたいです。(ゆこたまさん)
A.日本盲導犬協会では、盲導犬に向いている素質を持った繁殖犬から生まれた子犬を盲導犬候補犬として訓練しているため、家庭犬を訓練して盲導犬にすることはしておりません。
日本盲導犬協会では、将来盲導犬となることを想定した育成プログラムを子犬の頃から行っており、子犬を生後約2ヵ月~1歳まで育てて頂くパピーウォーカーのご家族にも一貫したプログラムに取り組んで頂いております。
Q.盲導犬の毎年のワクチンや健康診断などはどのように行われていますか?
利用者の近隣または指定の動物病院に行かれているのか?それとも盲導犬専用施設などがあるのでしょうか?行かれる際はどなたが連れて行かれていますか?
費用のご負担が盲導犬協会や他団体、もしくは利用者なのかも気になります。(なおさん)
A.予防接種や寄生虫の駆虫薬の投与、シャンプーやブラッシングなど盲導犬ユーザーは、厚生労働省のガイドラインに沿ってパートナーの健康・衛生管理を行っております。
盲導犬と生活を始める際、盲導犬訓練士と一緒に地元掛かりつけの動物病院までの行き方も練習し、通えるようにしています。
日常の診察や健康診断は掛かりつけの病院で診てもらいます。
これらの医療費は、基本的にユーザーの自己負担ですが、自治体によっては補助制度を設けているところもあります。
Q.聴導犬の普及活動などのボランティアに家族が長年関わっております。
私も微力ながら募金活動などしてきて親しみがあります。
盲導犬と聴導犬では、どのような訓練の違いがあるのか興味があります。
また、ヨーロッパ方面やアメリカではスーパーや飲食店でも見かけることが日常的にあるサービスドッグですが、日本での認知・普及などはどの程度進んでいると思いますか?(ゆずこさん)
A.盲導犬は、見えない・見えにくい人、聴導犬は、聞こえない・聞こえにくい人と生活をします。
そのため盲導犬と聴導犬では、サポートをする作業に違いがあります。
例えば盲導犬の場合は、障害物を回避したり、段差(上り・下り)の位置や曲がり角をユーザーに教えるよう訓練していますが、聴導犬は必要な音(ドアチャイム・目覚まし時計)がどこで鳴っているかを教える訓練をしています。
必要とするサポートに違いがありますので、訓練内容にも違いがあります。
ヨーロッパやアメリカと比べ、犬との生活についての歴史や文化の違いもあり、日本国内での認知や普及は決して高いとは言えません。
国内で実働している身体障害者補助犬の数は以下の通りです(2023年3月31日時点)。
【盲導犬:836頭/聴導犬:56頭/介助犬:57頭】
Q.数年前盲導犬協会の訓練施設に見学に行ったことがあります。
盲導犬に向く子、向かない子がいることや、盲導犬としてのお仕事を全うした老犬のお世話もしていることを知りました。
盲導犬がもっと身近に広く活躍できる状況になることを願ってます。(Tethuさん)
A.応援ありがとうございます。
これからも、盲導犬の一生に責任を持ち活動を続けてまいります。
Q.盲導犬と利用者との 意思疎通はどのようにして行われるんですか(やすさん)
A.盲導犬へは言葉で指示語を伝えます。
正しい動きができているかどうかは、手で犬の体を触ったりリードやハーネスの動きで感じとります。
例えば、「シット(座る)」と指示をした後に犬の背中を触ると背中が斜めになったことで座ったことを確認できます。
上手にできていれば「good!」と褒めます。
ユーザーは共同訓練を通してこれらの方法を身に着けます。
訓練士は盲導犬ユーザーが視覚からの情報に頼らなくとも犬とコミュニケーションを取れるように訓練しています。
例えば、「カム(人のところへ来る)」などの指示も人の触れる場所まで来るように教えています。
Q.街中で盲導犬と同伴者を見かけます。
盲導犬にむやみに触ったり、声をかけたりしてはいけないと聞いた事がありますが、どのように接したら良いのでしょうか?(kaccoさん)
・幼稚園児のうちの娘はワンちゃんが好きで、なでなでしたがります。
一般的なワンちゃんと同様に、近づいて触っていいのでしょうか?(いくちゃんさん)
A.触ったり話しかけるなど、盲導犬の気を引くようなことはしないようにお願いいたします。
盲導犬は子犬の頃から人と一緒に過ごしており、人のことが大好きです。
そのため、触られたりしてしまうと作業に集中できなくなり、目の見えない人や見えにくい人が安全に歩行できなくなってしまいます。
電車やバスに乗っていてユーザーの足元に伏せている時も同様です。
人の声のする方向に犬が向きを変えてしまうことにより通路をふさいでしまったり、急な動きにユーザーが引っ張られて転んでしまうことにもつながりますので、「盲導犬はそっと見守る」ようにお願いします。
Q.時々、道路や電車の中でお利口さんにお仕事をしている盲導犬を見かけます。
とても健気な姿に思わず胸が熱くなります。(私自身、犬好きで、我が家でも飼っています♪)
盲導犬は、平均で大体何年間お仕事をするのですか?(milさん)
A.日本盲導犬協会では、犬の2歳ごろから10歳ごろまでの期間、盲導犬として活動します。
引退後は、引退犬飼育ボランティアのご家庭でゆっくりと余生を過ごします。
Q.街で盲導犬と出会ったら、どの程度の距離感・配慮をしたら良いですか?
声かけや触ったりしないくらいしか知識がありません。(ゆかりんさん)
A.盲導犬を見かけたら、そっと見守ってください。
盲導犬は人間のことが大好きなので、興味を引かれてしまうと集中ができず、目の見えない・見えにくい人の危険(事故)につながってしまうことがあります。
しかし、盲導犬は道案内や信号の判断ができませんので、盲導犬ユーザー(使用者)が困っている様子でしたら、盲導犬ではなくご本人にお声がけをお願いします。
例えば、信号で「赤ですよ」「青になりましたよ」など周囲の人から声をかけてもらえると、とても助かります。
Q.住宅街で白杖を使っている方をお見かけして、電柱にぶつかりかけている様に見えたので、
気になり「大丈夫ですか?」と声をかけましたが、迷惑そうにされた感じがありました。
コロナ禍もあり、いろいろ考えてしまいます。
どんな風に対応したらいいのか知りたいと思います。(りょうこさん)
A.街の中での困りごとは人によって違うので、お声がけも難しいですよね。
でも、声をかけていただけると安心して外出ができますので、そのようなお気持ちはとてもうれしいです。
安全に歩いているような様子であれば、そっと見守ってください。困っていそうな時にはお声がけをいただけると助かります。どのようなお手伝いが必要かは、ご本人にお聞きください。
声をかけていただいた時にご本人が自分に声をかけられていると気付けないことがありますので、「(白杖をお持ちの方・盲導犬をお連れの方)、何かお困りですか?」と声をかけて頂くと気付いていただきやすいと思います。
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投稿を表示我が家から車で約20分〜30分の処に日本盲導犬協会様の訓練施設があります。私も数年間、定期的にせめて..と思い、寄付をさせて頂いていました。そうすると、盲導犬協会様から定期的に冊子が送付されてきます。パピーとして、1年間は普通のご家庭で愛情たっぷりに育ててもらい→適性を更に審査されて→適切な適性がある犬が訓練に入る→一人前?になって活躍→引退後はまた一般の家庭で穏やかにその後の人生を送る。…という過程や、いろいろな写真や記事を拝見、拝読させて頂きました。
パピー時代に犬を預かる家庭にも、引退後に犬を預ける家庭にも、受け入れる側としての条件があります。我が家は働いていて家族が留守がちなので適切では無いと思い、募金だけしていました。
今は、犬が好きなドクターがいるクリニックに募金箱が設置されているので、そちらに些少ですが気がついた時は募金させて頂いています。玉川高島屋さんにも募金箱が設置されていますね。このトークショーに参加したかったです。盲導犬や聴導犬、最近は災害救助犬等が活躍している姿をNEWSで拝見します。訓練士さんと、犬たちに、いつもエールを送っています!。
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投稿を表示丁寧なご回答ありがとうございます!さらに理解が深まりました❤︎
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投稿を表示盲導犬をはじめ介護犬の訓練を
されていらっしゃる方々を見て
ありがたく見守っております
以前特別支援学級で
子供と盲導犬(役目を終えて引退した犬たちでした)との交流会があり
子供たちが犬に読み聞かせをしていました
じっと聴いている犬たちの様子を見て
落ち着いた中で子供たちと盲導犬が
交流する様子はとても温かい光景でした
それにつけても担当の方々の対応に
いつも頭が下がる思いです
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投稿を表示とても丁寧に質問に答えてくださり、ありがとうございました。
これからも盲導犬・聴導犬始め様々なサービスドッグたちが広く認知され、数も増えるといいですね。必要としている方のもとにちゃんと届くようになるといいなと思います。
パピーウォーカー活動なども気になります。