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ティム
2026/05/17 15:43

物語を紡ぐ

シェル・シルヴァスタインの「おおきな木」をご紹介します。この絵本は、幼い男の子が成長して、老人になるまでを温かく見守り続ける1本の大きなリンゴの木の話です。

男の子とリンゴの木はとても仲良しでした。毎日一緒に遊び、少年は木の葉で冠を作ったり幹に登ったり、りんごを食べたりして過ごし、木もそれがとても幸せでした。 

しかし、少年が成長するにつれて外の世界へ関心が向き、木のもとを訪れる間隔があくようになります。 

久しぶりにやってきた少年は、大人になり、お金、家、舟といった「欲しいもの」を木に求めるようになります。木は何も持っていませんでしたが、少年を愛するがゆえに、自分のりんご、枝、幹をすべて少年に与え続けて、最後は切り株になってしまいます。それでも「きはそれでうれしかった」

長い年月が経ち、すっかり年老いて疲れ果てた少年が戻ってきます。何も与えるものがなくなってしまった木でしたが、「すまないねぇ。わたしにはもう、あげれるものは、なんにもないんだよ」と伝えます。しかし、老いた少年が求めたのは、腰かけて休む場所だけでした。
木は少年に腰掛けさせます。

物語は幕を閉じ、そして「きはそれでうれしかった」という言葉で終わります。

この絵本に幾度も出てくるフレーズは「きはそれでうれしかった」です。この言葉が読んだ当時、忘れられなかったのです。そしてその後の価値観に大きく影響することになりました。

この本はベストセラーなので、ご存知の方も多いと思いますが、まだ読んだことがない方がいらっしゃいましたら、機会があれば、ぜひ読んでみてください。


木は言葉を発しませんが、常にそこに立ち続け、四季の移り変わりや人の暮らしを見守ってくれる存在として、心に深い安らぎを与えてくれます。日本には昔から「八百万の神」というように、さまざまなものの中に「神」という神聖な存在を見出し、大切にして来ました。

木はただそこにあるだけでなく、時に人の思いを繋ぎ、世代を超えて奇跡のような物語を紡ぎ出します。

高島屋の木もさまざまな物語を紡いだのでしょう。

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