立春に入り七十二候も第二候にはいり、黄鶯睍睆(うぐいすなく)の時期となります。
2月9日〜2月13日の期間です。
ウグイスが美しい鳴き声で、春の到来を告げる頃です。その年の一番初めに聞くウグイスの声を初音(はつね)といいます。
源氏物語の初音の巻で有名です。明石の君から娘に届いた和歌。
「年月を まつにひかれて 経る人に きょううぐいすの 初音きかせよ」
長い年月、いつ会えるかと待って過ごす母(明石の君)に、今日はせめて春を告げるウグイスの初音を聞かせてください(年始の便りをください)
新春を迎えた六条院では、紫の上のもとで養育されている明石の姫に、母明石の君から贈り物と和歌が届きます。光源氏は娘との対面も叶わぬ明石の姫を哀れに思い、返事を書くよう促します。
地方長官の子で身分が低い明石の君は、最愛の娘(明石の姫)を紫の上の養女にします。
家柄が子どもの人生を大きく左右した時代、身分の高い紫の上に育てられたほうが、娘は幸せになれるのだからと泣く泣く手放します。「どのように成長したのやら」と娘を思わぬ日はありません。初音の巻はそんな物語です。
母上のことを思い出してみてはいかがでしょう。